雨漏りの原因は仕上げのツモリのセメントかも...

今週はまさかのドカ雪にやられた瓦屋です~

現場が進みませ~ん

まぁ進まない所を作業してるのですが…

 

ハイ、屋根瓦修理工事から思う事ブログです

「屋根からセメントの欠片が落ちてきた」

「なんかセメントが剥がれてるみたいだ」

よくご依頼を頂く事例です

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瓦の隙間や継ぎ目にセメント等が盛り上げられているのを目にする事がよくあります

白鷺城ばりに真っ白に塗り固められてしまっている屋根もありますが…

(あっ白鷺城は根本的に施工方法が違うので大丈夫です。)

 

これって大丈夫なのでしょうか?

 

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瓦の継ぎ目は今でこそダイヤモンドカッターで細かい細工が可能になりましたが、昔はダイヤモンドカッターも高価(現在の3倍以上)でさほど性能も良くありませんでした

多くの施工は、瓦ハンマーや押し切りで割ったり欠いたりした物をセメントで固めて納めるのが定説でした

瓦の精度が悪くても、ある程度切れていればセメントで覆ってしまうので見た目も悪くないし、セメントが保護材となって

 

”雨水も入らないハズ”

 

でした。

実はいまだに同様の施工されてる方、残念ながらいらっしゃいます。

施工時間が大幅に短縮出来、施工精度に左右されませんので“お安く”できます。

しかし、このセメントは収縮します。特に継ぎ目等の面積の小さい部分は顕著に収縮が起き、ひび割れや隙間が発生します。

ちなみに、セメントの専門家である左官屋さんに聞いたところ、ユニットバスじゃない頃のお風呂を作ってた頃、浴槽を普通のセメントで固めてしまうと浴槽が変形してしまう程収縮が激しいとの事でした。

当然屋根でも同じ事が起き、セメントに隙間が発生したり、接着の強い部分は瓦が負けてしまいヒビが入っている事もあります

そうした隙間から雨水が浸みこみ瓦を固定してる粘土に吸い込まれて行きやがて雨漏りを引き起こします

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↑固形化してるハズの粘土がサラサラの砂状になってしまい大きな隙間が出来ています

 

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↑瓦の解体を進めると、今にも水が滴りそうになっている部分が出てきました

実は・・・セメントは

 

“水を吸います”

 

漆喰も、粘土も吸水する特性があります。

ですので隙間を埋める為、防水効果を狙って、セメントで塗り固めても雨漏りは

 

“直りません”“止まりません”

 

ですので私は手間暇掛かってしまいますが、瓦の継ぎ目をセメントや漆喰で“誤魔化す”様な事は

“いたしません”

 

ので仕事が遅いです。

 

ん?

“単に肥えすぎだろ”

という天の声は無視する事にします。ハイ。

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 ほしあに(星 周道)

星兄弟の兄/バイク/瓦/お酒/無類のパグ好き/4代目になれるかもしれない瓦屋/カブのセッティングが決まらない/ブログ超初心者ですが宜しくお願い致します。

 

 #瓦 #雨漏り #壊れない屋根